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シンガポールには多彩な料理があって、興味が尽きません
日本の淡路島とほぼ同じ広さの国土に、中国系やマレー系、インド系などのさまざまな民族が暮らすシンガポール。そんな多民族国家の食事情とは、どのようなものなのだろうか。大和駅から徒歩5分ほどの場所にあるシンガポール料理店「マカンマカン」のオーナーシェフ・平岡弘子さんに話を伺った。
「日本の野菜は質がいいので、同じ料理でもおいしくできるんですよ」と平岡さん
シンガポールの料理の特徴を一言で説明するのは難しいですね。シンガポールでは「ホーカーズ」と呼ばれる屋台村が街の至るところにあるんです。そこでは中華はもちろん、インドネシアやマレー、インドなどの多彩な料理が楽しめる数十の屋台がひしめいています。しかも、各国の料理をミックスしたものもあって、わたしが好きなニョニャ料理もその一つです。
シンガポールでは中華系の男性とマレー系の女性が結婚した家族をペラナカン、その家族の娘をニョニャというんです。そこから転じて中華とマレーのミックス料理をペラナカン料理とかニョニャ料理と呼んでいます。手間がかかるのでわたしの店ではなかなか出せないのですが、ニョニャ料理のモチ菓子は和菓子に近い食感でおいしいんですよ。
ホーカーズでは、そうした各国の多彩な料理を一つのテーブルに持ち寄って食べることができます。しょうゆ味のものからスパイシーなものまでいろいろな料理がそろっていて、日本人の舌に合う料理も多く、本当に食べ飽きることがありません。ホーカーズは朝早くから夜遅くまで開いているので、現地の人も朝昼晩の3食ともホーカーズで食事しています。ホーカーズ以外にも通常の食堂やレストランもたくさんありますし、中華街やインド人街に行けば本場の料理をリーズナブルに味わうことができます。ありとあらゆる料理を楽しめることが、シンガポールの魅力だと思います。
多様な料理が楽しめるホーカーズのアバウトな魅力
わたしは主人の転勤に伴って、1984年から3年間シンガポールで暮らしました。最初に主人から転勤の話をされたときに、わたしが思ったのは「シンガポールって、どこにあるの?」ということです。英語が公用語であることも知りませんでしたし、何の知識もありませんでした。その後も娘たちの転校の手続きなどでバタバタしていたので、気がついたらシンガポールにいたという感じですね。わたしは中学校の教科書レベルの英語しか話せませんが、身ぶり手ぶりを交えればどうにかなりました。
言葉よりも困ったのは気候です。雨季と乾季はあるものの、シンガポールは年間を通して寒暖の差がほとんどなく一年中蒸し暑いんです。その気候が合わなかったようで、最初の1年ほどは体調が思わしくない状態が続きました。近所のホーカーズで食事をしたりする以外は、家の中で過ごすことが多かったですね。
もともとわたしは日本にいたときに、板前をしている弟と一緒に割烹(かっぽう)を営んでいたんです。わたし自身は難しい日本料理はできませんが、料理を作ることは好きでした。そうしたこともあって、1年近く経(た)って徐々に体が復調してからは、シンガポールの食文化に対する好奇心がわいてきたんです。
例えば、揚げた魚にマンゴーのソースがかかっている料理を食べると、「こんな料理があったのか!」と驚くと同時に、「どうやって作るのかな?」と興味を抱きます。そこで、屋台の人に積極的に声を掛けるようになりました。みんな気さくで、「簡単だよ」と言って教えてくれるんです。そうかと思うと、あるとき料理にアリが入っていたので怒ったら、大して気にする様子も見せずに「取り出せばいいじゃない」と言われたこともありました。でも、わたしも根がいい加減だから、そういうアバウトさも嫌いではないんです。ホーカーズの屋台は良くも悪くも気が置けないところがあって、その魅力にすっかりはまりました。
シンガポールの料理に興味を持つようになってからは、市場やスーパーなどにも一人で積極的に出掛けるようになりました。見慣れない食材や調味料がたくさんあって、興味は尽きなかったです。料理は本などを読んで独学でも勉強しましたし、隣に住んでいる日本人家庭が現地の方をお手伝いさんで雇っていたので、その人からも習いました。シンガポールで食べた料理で一番印象に残っているのも、そのお手伝いさんが作ってくれたビーフンです。ニンジンとタマネギを使っただけのシンプルなビーフンだったのですが、独特の風味があってとてもおいしく、その味は今でもよく覚えています。
「シンガポールが取り持つ不思議な縁を感じますね」
3年間の滞在を終えて以後も、平岡さんとシンガポールとの縁が途切れることはなかった。平岡さんは今でも年に1、2回、シンガポールに数週間滞在して現地の料理学校で学び続けている。また、1995年には実家を改装してシンガポール料理店を開店した。
当初は料理教室を開いていて、そこから自然な流れでレストランを始めることになりました。今に至るも「シンガポール料理を広めよう」といった意気込みのようなものはなく、ただ自分の好きなことを続けている感じです。 以前は住宅街の中で隠れ家のようにひっそりと営業していましたし、席数が限られていたこともあって完全予約制でした。
それが、娘が店を手伝ってくれるようになったので、昨年、予約制をやめて現在の場所にリニューアルオープンしたんです。今年の2月には、その娘がシンガポール人と結婚しました。それは別にわたしが縁を取り持ったわけではなく、娘は娘でシンガポールが気に入って個人的に何度か遊びに行っていて、現地の人と縁があって結婚に至ったんです。
娘婿にも店を手伝ってもらえることになったので、今は料理をいろいろと教え込んでいます。もともと彼は料理が好きでしたが、日本とシンガポールでは食材なども違うので、現地の味を再現するにもコツがあるんです。日本人のわたしがシンガポール人にシンガポールの料理を教えるというのもおかしな話ですが、最初はどこにあるのかさえ分からなかった国との不思議な縁を感じますね。
もやしオムレツ
●材料(2人分)
卵3個 もやし80g サラダ油大さじ2 小ネギみじん切り大さじ2 唐辛子(とうがらし)小1本 卵用調味料(牛乳か水大さじ1 薄口しょうゆ小さじ11/2 ゴマ油小さじ1/2 鶏ガラパウダー1/3 ホワイトペッパー、砂糖各少々)ソース(スイートチリソース大さじ1 オイスターソース大さじ1 水大さじ11/2)サニーレタス、トマト各適宜
●作り方
[1]ボールに卵と卵用調味料を入れ、よく混ぜる。もやしは手でちぎって食べやすい大きさに。
[2][1]の材料と小ネギみじん切り、唐辛子を合わせる。
[3]直径15cmほどのフライパンでサラダ油を熱し、[2]の材料を入れて中火で両面を焼く。
[4]皿にサニーレタスやトマトなどを敷き、オムレツを載せてソースをかけたら完成。
●ポイント
「食材も日本人になじみのものばかりですし、手軽に作れると思います。ご飯に載せて丼風に仕立てて召し上がっても、おいしいですよ」(平岡さん)
マカンマカン
大和市中央1-6-19 ナガタビル1F
TEL.046(260)7010
営業時間/11:00〜15:00、17:00〜22:00
定休日/火・第2月曜
店名は「食べる」を意味するマレー語。スペアリブを漢方薬入りスープで煮込んだ「肉骨茶(バクテー)」(1,050円)をはじめ、シンガポールの屋台料理や家庭の味を手軽に味わえます。一度に多彩な味を楽しめるランチセット(1,050円〜)や、カクテル(787円)も人気。
http://makanx2.com/
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