>>瓦版トップ >>164号トップ >>特集 カラダの掃除は日々の暮らしから
Illustration:Yano Hiroko
健康、幸せは「ココロの自立」から
 ここ数年、女性を中心に「お掃除で開運」とか、「デトックス(毒出し)で健康、キレイになる」がブームだ。お掃除・整理整頓は、風水でいうと家の「気=エネルギー」の流れを良くし、その家に住む人の運を良くする。

 それと同じで、カラダの掃除=デトックス(毒出し)をすると、体調が良くなると同時に「気」の流れも良くなり、健康に、キレイになれるというわけだ。体の調子が良くなると、心の調子も当然良くなるわけで、前向きな気持ちになれるし、活力が漲(みなぎ)ってくる。人生は自(おの)ずといい方向に向かっていくというわけで、どちらも「開運」ということがキーワードになっている。

 私(わたし)はこのブーム、実にいい流れだなと思っている。なぜなら、他力本願な占い・ヒーリングブームより、自力で開運しようという気に、多くの人がなってきた証拠だからだ。

 私もここ10年ほど、私たちがより健康に、ハッピーに生きられるようになるエッセイ本を出しているが、それは「健康」「幸せ」というのが、他力本願では得られないものだからだ。誰かに健康にしてもらう、幸せにしてもらうのではなく、「自分でなる」という意識を持たないと、何も変わらない。

 そして「誰かに幸せにしてもらいたい」「何かに健康にしてもらいたい」という依存心こそが、体調不良、ココロの不調の原因でもある。そういう依存心が強い人は、頼った人が満足にその人の要望に応えてくれないと逆恨みするので、人間関係にもヒビが入る。まっこと、みんなを不幸に、具合悪くしてしまう。ネガティブのスパイラルに巻き込んでしまうのである。

 だから、多くの人がココロの自立を果たし、「自分で健康になる」、「自分で幸せになる」という意識を持てたら、日本も変わるのではないかと思っている。そのために、私も肩こりを承知で、本を書いているのだ。

人間のカラダとココロはひとつ
 私は30歳から無農薬野菜の宅配便を取り始め、以来、家での食事は無農薬・無添加の野菜中心だ。最初はダイエットのためだったが、33歳のとき子宮筋腫が見つかって、その自然治癒目的で、健康のためと相成った。

 以来10年以上、健康的な生活を送っていてしみじみ感じるのは、実に人間の心と体は一つである、ということだ。肉体が健康ならば、精神も強くなる。心が弱っているときは、体も調子が悪くなる。心が弱っているときも、体の調子が必要以上に良ければ、弱ったココロをサポートしてくれる。体調が悪いときも心が強靭(きょうじん)ならば、なんとか切り抜けられる。

 だから「健康」で「幸せ」になるためには、心と体の両方をケアし、強くしてあげればいいのである。加齢とともに弱ってくる肉体も、そのときに応じた健康法で、その年なりの、その人なりのベストコンディションを得ることができる。そしてそれはあくまでもセルフケアであるべきなのだ。

 私もかつては鍼灸(しんきゅう)の先生なり、ボディワーカーや漢方医を頼っていたが、その人たちの調子が悪くなったり、時間の経過とともに相性が合わなくなってしまったりすることだってある。悪い治療家や占い師に騙(だま)される人もいるという。結果的にはセルフケアできる知識や技術、ライフスタイルなり考え方を学び、「自分でもっと健康に、幸せになる」ということを日々実践するのが一番なのだ。

 そしてそれこそが、「継続は力なり」で、真に人を健康に、気丈にする。誰に頼ることなく健康に、幸せに生きて行けるようになるのである。これは素晴らしいことだ。

デトックス=カラダの掃除も自力で
 最近、デトックスがアンチ・エイジング(抗加齢)療法としてもてはやされていて、その手のクリニックでは、高い料金を支払って多くの人がデトックス・サプリを購入したり、キレート点滴(重金属解毒点滴)を受けたりしている。しかしこういう化学的な療法は必ず副作用があるし、自然療法好きな私としては、高すぎる料金を支払うのがイヤということ以上に、抵抗感がある。

 なにもそれ専門のクリニックに赴いて特別なことをしてもらわなくても、日々の生活でカラダの掃除はできるのである。毎日、新鮮な果物や生野菜を良く噛(か)んで食べる、というのがその最たるものではないだろうか。新鮮な果物や生野菜には、カラダを生き生きとさせるビタミン・ミネラルがたっぷりなだけでなく、解毒に大活躍する微量栄養素や、消化吸収を良くする酵素が含まれている。それらを良く噛んで食べると唾液(だえき)とよく混ざり、消化吸収が良くなる。カラダにビタミン・ミネラルが足りているとデトックス力も増す。農薬や添加物は解毒力を低下させるので、できたら無農薬、無添加ものを選びたい。

 新鮮な野菜や果物を日々たくさん良く噛んで食べることにより、カラダには栄養が行き渡り、内蔵機能も増す。カラダ本来が持つ解毒力で、どんどん勝手にお掃除をしてくれるというわけだ。

 果物や野菜は旬のもの、地元で取れた新鮮なものが栄養素も豊富で、健康効果が高い。かつ美味(おい)しいし、幸せ感ももたらしてくれる。果物は1日3種類ぐらいをよく噛んで食前や空腹時に食べる。野菜はなるべく生で、水にさらさず(栄養素は水溶性なので水に溶け出してしまう)、いいオイル(エキストラヴァージンオリーブオイルなど)やお酢をかけていただく。加熱するならさっと短時間で蒸す、炒(いた)めるなどで調理し、栄養素が壊れないようにするのがコツだ。

カラダのお掃除、ココロのお掃除
 カラダのお掃除=デトックスには、前記のようないいものを良く噛んで食べ、いいお水(ミネラルウォーターや浄水器を通した水)を飲み、たくさん排泄(はいせつ)し、入浴や運動で汗をたくさんかくことが大切だ。また、寝る前に食べたり飲んだりしないことで内臓を休ませ、解毒力を高めるのもポイント。

 年齢とともに消化吸収力も衰え、体の持つ消化酵素の量も40代で激減するので、小食を心がけること。お酒を飲む人は最低量にし、ぜひ休肝日を作るべきだ。私も往生したが齢(よわい)44、とうとう健康のために、毎日晩酌するのは断念した。

 さて、カラダのデトックスはこうやって日々行えるとして、ココロのデトックスはどうだろうか。人間の体と心は実にひとつ、肉体的なデトックスがすすむと、心のデトックスもすすんでしまう。心の毒出し、つまり、心の奥底に潜んでいて、その人の幸せ感を邪魔していた悪感情が、表に出てきたりするのである。

 そうなったらもう、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ、どんどん不要な感情や「思い」は手放したほうがいい。そんなものは、持っていても心の重荷にしかならないからだ。私が読者に提案するやり方は、怒りや悲しみ、不安といった悪感情を、自分がワクワクして、嬉(うれ)しく楽しくなることで置き換えてしまう、というもの。これからのお楽しみで頭をいっぱいにしてしまえば、過去の辛(つら)い思い出などは入り込む余地はない。

 さらに、これ以上ココロに毒をためないことだ。体にこれ以上悪いものを入れないのとおんなじように、心の毒になるものも入れないことである。心の毒とはなんだろうか。それは、毎日誰かの口から発せられるネガティブな発言、怒り、嫉(ねた)み、恨み、悲しみといった辛い感情、そして、インターネットやメディアが送り続ける、人を不安にさせる悲惨な事件のニュースなどである。

 それらは自分の意思で、情報整理することができる。ニュースやインターネットを必要以上に見ないことも、心のデトックスには大切で、人を落ち込ませるネガティブな人とは付き合わないことも、心の健康を保つには必要なことなのだ。

 また、人には「思い癖」というものがあり、やたらと心配性な人ほど気を病み、ひいては体を壊す。しかしその体質も「自分の意思」で、変えることができる。時間はかかるかもしれないが、体や心を壊す前に、ぜひチャレンジして欲しい。そしてその健康効果を味わって欲しい。人は誰でも、決意さえすれば、「自力」でもっと健康、もっと幸せになれるはずなのだから。

よこもりりか■1963年、山梨県生まれ。大学卒業後、映画や美術などに関するコラムを雑誌等に執筆。29歳の時に「ニューヨーク・ナイト・トリップ」で作家デビュー。著書に「開運生活!カラダとココロの早起き術」「開運生活!カラダとココロのお掃除術」(ともにヴィレッジブックス)、「地味めしダイエット1、2、3」(光文社)、「恋香〜Renka」(ベストセラーズ)ほか多数。
http://www.yokomori-rika.com/

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