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冬の星空には、どのような世界が広がっているのだろうか。今年七月にリニューアルオープンした湘南台文化センターこども館のプラネタリウム「宇宙劇場」。そこでガイドを務める鈴木都三聡さんに案内していただいた。
冬は一年で最も星空が美しい季節です。幾つか理由がありますが、まず、空気のコンディションが安定していることが挙げられます。冬は空気が澄んで乾燥しており、水蒸気が少ないので空気の揺らぎも少ないのです。暑い季節は日中に地面が熱せられ、夜にかけて水蒸気が立ち上ります。そうすると、望遠鏡をのぞいてもユラユラと空気が揺れてしまい、観測がおぼつかなくなるのですが、冬場はそうしたことが少ないのです。
また、冬は星空そのものも美しさを増します。さまざまな色の星が登場するし、明るい一等星が多く、見やすい星座がたくさんあるのです。肉眼でも見える星雲や星団もあるし、ほかの季節と比べて格段に星空の印象が強いといえるのではないでしょうか。では、実際にどういった星や星座を楽しむことができるのか、案内していきましょう。 |
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| 時間帯 |
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| 12月5日 |
/午前1時ごろ |
| 20日 |
/午前0時ごろ |
| 1月5日 |
/午後11時ごろ |
| 20日 |
/午後10時ごろ |
| 2月5日 |
/午後9時ごろ |
| 20日 |
/午後8時ごろ |
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六つの星が形作る「冬のダイヤモンド」 |
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南の夜空を見上げると、ほぼ正面に同じような明るさの星が三つ並んでいるのが見えると思います。これがオリオン座の目印となる三ツ星です。三ツ星の左上の赤っぽい星がペテルギウス、右下の青白い星がリゲル。三ツ星は二等星ですが、ペテルギウスとリゲルは一等星です。三ツ星の近くには星雲もあるため、オリオン座は全体的に明るく見えます。オリオン座はその特徴的な形から、日本ではかつて「鼓(つづみ)星」とも呼ばれていました。
オリオン座から左下に視線を移すと、白く輝くシリウスが目に留まると思います。シリウスは全天で一番明るい星です。周辺の小さな星々とおおいぬ座を形作っていて、シリウスは犬の口先に当たります。そこから左上に目を転じると、こいぬ座のプロキオンが見つかるでしょう。このプロキオンとシリウス、そしてオリオン座のペテルギウスを結んだ正三角形が「冬の大三角形」と呼ばれるものです。実際の夜空では、三角形の中を淡い天の川が縦断している様子を目にすることができます。
オリオン座のすぐ右上に明るく輝くのが、おうし座のアルデバラン。アルデバランは牛の目で、左に向かって二本の角が伸びています。牛の背中に当たる所、アルデバランの右上には、肉眼でも五、六個の青い星が固まっている様子が分かると思います。日本では「すばる」の名前で親しまれている星団です。さらに、おうし座から上に目を転じると、五角形に並ぶ星が見えます。これがぎょしゃ座で、やや黄色っぽくて一番明るいのがカペラです。ぎょしゃ座から左下に目を転じると、同じくらいの明るさで並んだ星が見えます。それがふたご座のカストルとポルックスです。
おおいぬ座のシリウスから時計回りに、こいぬ座のプロキオン、ふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバラン、オリオン座のリゲルと、六つの星を順に結びます。すると六角形が現れますが、これが「冬の大六角形」や「冬のダイヤモンド」と呼ばれるものです。なお、ポルックスとすぐ隣のカストルをセットにし、「冬の大六角形」や「冬のダイヤモンド」の一角と見なすこともあります。いずれも一等星かそれに準じた明るさで、当然、肉眼でもしっかり確認できます。「冬のダイヤモンド」を形作る星たちは、文字どおり冬の夜空の主役といえるでしょう。
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| オリオンをめぐる星空の物語 |
ペテルギウスとリゲルという二つの一等星と三ツ星などからなるオリオン座。天の赤道上にあり、とてもよく目立つ星座です。オリオンは海の神ポセイドンの子どもで、背の高い偉丈夫(いじょうふ)としてギリシア神話に描かれています。諸説ありますが、ペテルギウスは「巨人の脇の下」、リゲルは「巨人の足」という意味だともいわれています。また、オリオンは有力な猟師で、シリウスのおおいぬ座、プロキオンのこいぬ座は、いずれも彼が引き連れている猟犬だとする見方が一般的です。
ただ、オリオンは大変な乱暴者で、野蛮で低俗なエピソードにも事欠きません。オリオンの数々の蛮行に業を煮やした女神ガイアは、オリオンのもとにさそりを送り、毒針で刺し殺します。その後、オリオンもさそりも天に昇り、星座となりました。オリオン座とさそり座は天球上でほぼ反対側に位置し、同時に昇ることはありません。オリオン座は、冬の夜空で堂々と瞬いています。でも、東の空からさそり座が昇ってくると、まるで逃げ隠れるかのようにオリオン座は西の空に沈んでしまいます。
おうし座の東には、肉眼でも見えるプレアデスという星団があります。英語では「セブンシスターズ」と呼ばれ、ギリシア神話では七人姉妹の妖精として描かれています。オリオンは、この七人姉妹をしつこく追いかけ回したとされているのです。実際の夜空でも、プレアデス星団が先に昇り、それを追い掛けるようにオリオン座があとに続きます。ギリシアの昔から今に至るまで、オリオンは七人姉妹を追い続けているのかもしれません。
七人姉妹との追いかけっこもそうですが、実際には星がそのように動いているだけです。でも、もしかすると古代ギリシアの人々は夜空を見上げながら星をつなげて星座を作り、その動きから神話を紡ぎ出したのかもしれません。ちなみに中国でも、オリオン座とさそり座に関して似たような見立てがあります。中国ではオリオン座を「参」、さそり座を「商」と言い表し、仲が悪かったり疎遠だったりする人間関係を「参商のごとし」というそうです。
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| 夜空に思いをはせ、星を楽しむ喜び |
今冬の星空の見どころというと、三大流星群の一つであるふたご座流星群でしょう。十二月五日ごろから二十日ごろにかけて出現しますが、ピークを迎えるのが十四日前後。今年はちょうど十四日ごろは新月に近くて月明かりもそれほどないので、例年以上によく見えると思います。ふたご座流星群は、毎年一時間あたり二、三十個の流星が出現しますが、条件が良いと一時間に五、六十個出現することもあります。十四日前後にふたご座が南中に来るのが、午前零時ごろ。天気さえ良ければ、カストル付近を起点(放射点)に星が降り注ぐ様子を目にすることができると思います。
流星群を楽しむ一番の方法は、空の開けている場所に寝転がること。望遠鏡だと、視野が狭まってしまうのです。それよりも寝そべって肉眼で眺めている方が、ダイナミックな流星の眺めを存分に楽しめると思います。
また、年が明けた一月には同じく三大流星群の一つである、しぶんぎ座流星群も登場します。一月一日ごろから五日ごろに出現し、ピークを迎えるのが四日ごろ。毎年一時間あたり二、三十個の流星が出現し、多い年には六十個出現することもあります。時間帯としては明け方近くになるでしょう。
「宇宙劇場」では毎回、プラネタリウムの前半二十五分ほどを使い、その日の夜空の解説を行っています。その夜はどういった星が見られるのか、星座の見つけ方なども含め、お話ししています。投影プログラムでも十二月中旬からオリオン座を特集する予定で、三ツ星の下に広がるオリオン大星雲などについて解説します。星座の名前やその由来などを知った上で夜空を眺めると、星空の見え方や楽しみ方も変わってくるのではないでしょうか。ぜひ一度、気軽に予習をしに「宇宙劇場」に足を運んでみてください。
今、一般的に呼び習わされている星座名は、国際天文学連合が定めた分類によって八十八星座あります。星と星とを結び付け、いろいろなものに見立てて名付けたのが星座です。日本ではかつてオリオン座が鼓星と呼ばれていたといいましたが、当然、国や地域によって星座の呼び名や星同士の結び方にはさまざまなものがあります。例えば古代中国の文献にあたると、今、われわれが親しんでいる星座とはまったく異なる世界が描かれています。三ツ星とその周辺の星を結んでオリオンを思い描くのも、鼓を連想するのも、あるいはまったく独自の星座を見いだすのも、人それぞれ。それこそ無限の楽しみ方ができるのが星空の魅力ではないでしょうか。(談)
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湘南台文化センターこども館 宇宙劇場
藤沢市湘南台1-8 TEL.0466(45)1500[9時〜17時]
[投影開始時間]
火〜金曜15時50分
土・日曜・祝日、春・夏・冬休み期間中10時30分、
11時30分、13時10分、14時30分、15時50分
[入場料(一人一回)]
中学生以下二百円、高校生以上五百円
[休館日]
月曜(祝日の場合は開館、翌火曜休館)、祝日の翌日、12月28日〜1月4日
※機械の保守点検などで、宇宙劇場を休演する場合もあります
●上映内容などの詳細はホームページをご覧ください。
http://www.kodomokan.fujisawa.kanagawa.jp/ |